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放射線ナースのお仕事②最良の医療を提供するために看護師ができること【AG室の看護】

カテ中の患者さんの不安や苦痛はどこにあるの?
カテは主に局麻で患者の意識があるから声掛けの方法をを知りたい。
特殊な分野だから参考書は読んでいます。
だけど、直接働いている人の生きている声が聴きたい。

今回はいざ、カテ治療中に看護師が注意する点について話します。
カテと言っても予定や緊急など条件は色々です。
どんな時にどんなニーズがあるのかを教えます。
また、放射線防護についても。
自分の身を守るために注意すべき点をお話しします。

目次

予定の心カテ(主にCAGやPCI)

予定心カテについては、術前訪問で患者の不安などを確認しています。

カテナースのお仕事①最適な医療を提供するために看護師ができること【治療に備える看護編】

緊急と比べるとFFR検査やCTO(慢性閉そく性病変)などの時間がかかる治療や、珍しい検査が入りますので看護師としての経験値が必要になると思います。

緊急カテに比べれば、患者が急変するというリスクは少ないです。

しかし、心臓を治療しますのでVFやVTなど致死性の不整脈もたまーに起こります。

パパナース

私もCAGの検査中に致死性の不整脈が起こった経験があります。

起こったときに慌てるのではなく、カテを行うときには除細動を準備していつでも打てるようにしておきます。

除細動は電源を入れて、二相性の場合は150Jにセットして直ぐに打てるようにしておきます。

患者入室

入室時の患者は緊張してますので、これから行うことを説明します。

検査台に横になると医療者で一斉に準備に入るので、患者はまな板の鯉状態です。

声かけをしっかり行いましょう。

パパナース

私の病院でもまだ導入できていませんが、タイムアウトをすることも大切です。

カテを始めます

局麻

キシロカインアレルギーの観察が必要となります。

アレルギー反応は今まで大丈夫でも突然起こることがあります。

シースの挿入。

ここでは迷走神経反射に注意です。

徐脈になってきたら要注意です。

パパナース

アトロピンを使用することが多いの準備しておきましょう。

造影剤アレルギー

局麻と一緒でアレルギーは今まで大丈夫でも突然起こることがあります。

当院では、必ずカテ前に造影剤の問診票を取ってもらいます。

そこで、リスクファクターを確認します。

アンギオ中はドレープがかかってしまうため皮膚の観察が行いにくいです。

患者に声掛けをしながらアレルギーの観察をしましょう。

こちらのページでも詳しく説明しています。

【新人看護師必見】CT検査について②~造影剤って何!?~

パパナース

造影剤の副作用はアレルギーと腎機能障害です。
造影剤のアレルギーは造影剤の量に依存しません。一般的に動脈投与の方が発生率は低いです。
しかし、腎機能障害は動脈投与の方が注意が必要です。

患者の苦痛について

カテ中の患者の苦痛については主に3つあります。

腰痛

長時間同一体位でいることによる腰痛があります。

1時間を超えてくると、かなり辛くなってくるようです。

穿刺部位にもよりますが、鼠径穿刺の場合は足を動かせないので腰痛は発症しやすいです。

さらに術後の安静もありますので、

動けないのが一番辛かった。

という患者さんは多いです。

腰にタオルを入れてみたり、穿刺していないほうの足を動かしてもらったりしますが、気休め程度しかなりません。

パパナース

良い方法があれば教えてください。

排尿

次に、おしっこについて。

排便をしたがる人はあまりいませんが、尿意を訴える人はいます。

主に男性ですね。

私の病院では、女性は尿道留置カテーテルを挿入してきます(PCIの場合)

男性の場合は陰茎にコンドームのようなものをつけてその先に排尿バックが付いている排尿器具を着用します。

パパナース

アキシールとかウエスタンカテなんていうやつです。

でも、これ膀胱に留置している訳じゃないんで、寝たままだとおしっこ出せない人が多いです。

そりゃ、いつもトイレでおしっこしているのにいきなり寝たまま。

そして、周りに人がいっぱいいて、さらに手術されている状況で

おしっこなんか出るかーーーー。

パパナース

確かにその通りでございます。

さらに部屋が寒く、緊張しているのでトイレに行きたくなります。

そんな時は尿器で採尿します。

意外と、尿器だと出たりします。

前立腺肥大など既往にある患者は注意ですね。

温度(寒さ)

最後に室温について。

アンギオ室って寒い

看護師はプロテクター着てても寒い。

機械が温まらないようにって放射線技師はいうけど・・・

寒すぎじゃない?

極寒ですよ。

患者凍えています・・・

一応、暖かい空気を送る「ベアーハガー」という商品が3Mさんから出ています。

3M ベアーハガー 術後用ブランケット全身用 | ムトウメディカルショップ

私の病院ではタオルケットを足元にかけるなどして対応しています。

パパナース

予定カテは他にもいろいろな種類の検査があります。
こちらのページでは、私がおすすめする本を紹介しています。
カテ看護の本って少ないので是非参考にしてみてください。

緊急心カテ

救急センターにて

緊急カテは、主に救急センターから入室になります。

最初に注意すべき点としては、救急車でST上昇しているSTEMI(ST上昇型急性心筋梗塞)の場合です。

救急隊から情報が入った時点で救急センターの看護師はカテになるだろうと準備万端で患者を迎えます。

そのため、インフォームドコンセントなどが不足してしまうことが多いです。

早く治療をすることが患者のためである。しかし、患者説明の時間は必要です。

最短でカテ室に行く!

パパナース

Door to Door Time短縮は緊急カテの最大の課題です。

そのためには救急センターの看護師としての経験値とスキルが必要になります。

カテ出し準備を最短で行うことで患者への説明の時間を作り出します。

まず、必ず家族は救急車に同乗してもらいます。

家族の同意を待っているがために手術が遅れることがないようにするためです。

患者が置いていかれないように注意しながら、準備を進めます。

準備には尿道留置カテーテル挿入や除毛など侵襲的な処置も含まれます。

このままどうなるの?

えっ!私ってそんなに重症なの!?

と患者の不安は最大級であると思います。

突然胸が痛くなったり、胃が痛いと思って病院に来たら、

重症の心臓病で病着10分で看護師が一斉に処置に入る。

患者にとっては異様な光景で、まさに悪夢です。

患者の立場になった声かけや対応を行いましょう。

チェックリストの活用

私の病院では緊急カテのチェックリストを使用しています。

慣れない看護師でも間違いがないようにするためです。

看護の質を担保させるためにチェックリストはとても重要です。

アンギオ室にて

術中については、急変する可能性が高い為。

ICLSなどのコースにでてALSの技術を身につけることをお勧めします(救急センターでももちろんですけど)。

パパナース

IABPやPCPSなど補助循環装置をすぐに準備できるようにCE(ME)さんと協力して、シミュレーションで練習することをお勧めします。

看護師は急変時に気がつくと補助循環装置がついている

なんて事もあります。

それぞれの職種がどんな動きをするのかシミュレーションしておく事は大切です。

予定のカテとは違い、手技は単純な場合が多く、術時間も比較的早い場合が多いです。

大体1時間くらい。長くても2時間。

局麻下で行う為、CAGからPCIへ移行する際などは検査台で横になっている患者さんにインフォームドコンセントができると良いと思います。

パパナース

アンギオ室前で待っている家族にも一言話すことができるとさらに良しだと思います。

放射線被ばくについて

カテは放射線管理区域での看護です。

放射線の被爆防護は非常に大切です。

医師と違い看護師他、メディカルスタッフの多くは透視中は患者に近づかないかと思いますが、

急変時などは近づかざるを得ません。

パパナース

コートタイプのプロテクターと甲状腺の防護のネックガード、
水晶体の保護に防護メガネは着用して入室しましょう。

アンギオ室の入り口に注意喚起の張り紙をしている施設もあるみたいです。

患者への声かけのタイミングについて

透視中はなるべく近づかないのですが、医者がカテを交換するタイミングや、IVUS中は、比較的透視が出ないので患者に近づきやすいですよ。

透視だすタイミングに声かけてくれる医師なら問題無いんですけどね。笑笑

また急変時は患者に近づかないわけには行かないので個人防護具は必ず常に着用するようにしましょう。

ガラスバッジについて

ガラスバッジもプロテクターの中と外に一つずつつけている施設が多いのでは無いでしょうか?

水晶体の被ばく線量限度が変わりましたね。

目の防護はとても大切です。

ガラスバッジをつけて、職業被爆がないように気をつけましょう。

放射線皮膚炎について

患者の被曝量ですが、当院はカテではそこまで気にしていません。

医療被爆に基本限度はありませんし、あまり線量が高くなる時には、線量を落として治療していると思います。

実際に放射線皮膚炎が起こるのは治療から少し経ってからになります。

退院してしまっていることが多いかと思います。

CTO治療など、線量が多い時は一言説明しても良いかと思いますが、個人的にはそこまで気にする必要は無いかと思います。

私も治療後放射線皮膚炎になった人は知りません。

コロナ禍の対応について

最近はコロナの患者も増えてきています。当院では入院患者には抗原検査が必須となっています。

しかし、ACS(急性冠症候群)のように抗原検査の結果を待たずにアンギオを行う場合もあります。

そのため、医療者は被爆防護だけでなく、感染防護も必要となります。

当院では必ず、患者にはサージカルマスクを着用させます。

気管挿管する場合はPPE(個人防護具)を着用して介助します。

医師はカテ中はガウンなどは着用していますので、N95マスクに変えるくらいで準備ができます。

コロナ禍の今は災害状況と言っても過言ではありません。

災害看護の基本はCSCAです!

Command and Control (指揮と連携)

Safety (安全確保)

Communication (情報収集伝達)

Assessment (評価)

要するに自分の安全確保がとても大切だという事です。

決して竹やり精神で突っ込んではいけません。

きちんとした対応を取ったうえで看護を提供しましょう。

まとめ

またまだ細かい看護はあるかと思いますが、今回はこの辺で締めたいと思います。

放射線科ナースって立っていることが多く、プロテクターも着ているので足が疲れますよね。

私は帰ってから筋膜ローラーでほぐしています。

これちょっとやるだけで結構足が楽になります。

カテ看護は看護の分野では特殊です。

標準的な看護や最新の情報が得にくいかと思います。

古い習慣が残っている施設も多いと思います。

このブログがそんな看護師さんの力となり、ケアの受け手である患者家族へのケアに還元されることを願っております。

では、また

SEE YOU!!!!!

パパナース
このブログはママナースと一緒に行っています。
パパナースプロフィール
病棟勤務7年後→救急外来(看護師歴15年)
DMAT隊員
得意分野:カテ看護・災害看護・マネジメント
2年前に株式口座を楽天証券で開設→積み立てNISAを始める。
月2万の積み立てで利益率30%を達成する。
始めは全米インデックスファンドのみだったが、J-REITや新興国株、TOPEX連動の投資を増やす。
ETFやビットコインを少しづつ購入して投資の勉強を行っています。
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