
やっと仕事を1人前にできるようになったのに
3年目の看護師ってみんな辞めていく・・・
この現象について私なりの見解を考察しました。
3年目看護師が退職を考えてしまう理由


病院という組織で看護師を続けることの大変さ
当院では、奨学金を返すために働いている新人は少ないです。
なぜなら付属の看護学校からの入職者が殆どで、その看護学校の学費はすごく安いからです。
奨学金を借りなくても払えることも多いですし、そもそも病院に奨学金制度がありません。
そのため、奨学金を借りる学生は返済のために借りた病院に入職することが多いです。
それでも、毎年10人以上付属の看護学校から入職してきます。
しかし、3〜4年目になると途端に退職者が増えます。
どこの施設もそうかもしれませんが、なぜでしょう。
プリセプター制度
3年目。
丁度そのくらいの年数の看護師はプリセプターを任されます。
このプリセプター制度。
皆さん正しく理解していますか?
新人看護師(プリセプティー)に先輩の看護師(プリセプター)がつき一定期間マンツーマンで指導・教育していくシステムのこと。アソシエーターは経験5年以上の看護師がつき、プリセプティーとプリセプター両者をフォローします。新人看護師にとっては日頃の業務で不安なこと、わからないことがあった時にその場で相談・解決できるメリットがあり、先輩看護師にとっても新人の成長を把握でき、タイムリーに指導できる利点があります。新人看護師をチームで育てていく安心のシステムです。
https://nurse.dept.showa.gunma-u.ac.jp/education/t-preceptorship
プリセプターとは、新人の指導をする役割ではなく、社会人として未熟な新人の1番近くで理解者になってあげる看護師であると私は考えます。
そのために、経験年数の近い看護師をつけます。
もちろん、プリセプター自身の成長のためでもあるとは思いますが、
決して、プリセプターだけが新人の指導をする役割ではないと私は思っています。
新人指導は病棟スタッフ全体で行うものであると思います。
しかし、新人の不祥事はプリセプターの責任みたいな空気を作り上げていませんか?
そのような環境を見て育った看護師がプリセプターをやりたいと思うでしょうか?



うわー。
そろそろ、プリセプターだ嫌だなー。
と思うでしょう。
その結果もっと働きやすい職場を求めて転職してしまうのではないでしょうか。
最近はうちの病院でも教育プログラムが代わりプリセプター制度が廃止されました。
新人指導はスタッフ全体で行う。
少し遅いような気もしますが、少しずつ看護業界も変わりつつあるのかもしれません。


教育プログラム
当院でも教育プログラムがあります。
キャリアラダーです。
看護者の能力(看護の核となる実践能力、自己教育研究能力、組織的役割遂行能力、公務員倫理と地域貢献)を、ラダー(梯子)のように設定し、看護師の専門的な能力の発達や開発、看護実践能力に加えて、看護管理者やスペシャリスト、また、大学院等への進学などキャリアを段階的に発展させるシステムです。
看護スタッフと看護管理者がお互いに能力段階を確認しながら、自己研鑽や人材育成をすすめるための有用なツールです。
http://www.chp-kagawa.jp/nurse/edu/kyariarada/
キャリアラダーについて調べるとこのようにと書かれています。
もちろん病院の中で、一番人数の多い看護部。
そのため、看護管理は病院として最重要なポイントであると思います。そして、キャリアラダーは必要だと思います。
しかし、必須ではなくても良い思います。



教育プログラムが充実することで良い人材が入職してくる
私の上司はそう言います。
はたしてそうなんでしょうか。
そんな、向上心の高い看護師は私病院には来ないと思います・・・
メリットがないですもん・・・
認定看護師になっても給料に反映しない。
年功序列で昇給していく。
そんな病院でキャリアラダーなんて申し込む人いますか?
まずは、その体制を変えていく必要があると思います。
「頑張っている人が得をする組織を作る」
そんな組織作りが必要であると思います。
【中堅看護師必見】リーダーシップって何?チーム医療ってどうやるの?多職種連携についてノンテクニカルスキル講座②
日本看護協会も「看護師のクリニカルラダー(日本看護協会版)」というものを2016年に発表しています。
これは、看護師の実践能力に注目しています。
看護実践能力を着実に身に付けていただくこと、また個々の看護師が所属する組織には、4つの力を基盤にした教育を通して個々の看護師の成長を支援していただくこと
https://www.nurse.or.jp/nursing/education/jissen/index.html
こういった看護実践能力についても各病院が重視して育成を支援してもらえると良い病院になると思います。
看護研修できることが、素晴らしい看護師ではない。
現場で素晴らしい看護を行える看護師をもっと評価してほしい。
このように思います。
このラダーは日本看護協会が出していますが、このクリニカルラダーは
病院
高齢者施設
訪問看護ステーション
3パターン作成されており、導入や活用についても詳しく書かれています。https://www.nurse.or.jp/nursing/education/jissen/index.html
まとめ


全ての世界で同じであると思いますが、
新人は組織の宝である。
経営について
看護体制について
医療安全について
組織は沢山大きな問題を抱えています。
しかし、もっと現場に目を向けてほしい。
今組織は何を考えていて、どんな方向に進もうとしている。
看護部目標をいう抽象的なものでなくて、
ちゃんと具体的に説明してほしい。
自分たちが頑張っていることを認めてほしい。
今の苦労は今後も明るい未来に繋がっていることを証明してほしい。
このような働きでスタッフの満足度は向上するのではないでしょうか。



管理目指していないから関係ない。



すぐ辞めるから別に関係ない
こういった考えも良くないと思います。
まずは自分が組織と向き合ってみる。
もし、それで難しいと思ったら組織を変えてみることも一つだと思います。
自分の未来は自分で作っていく
組織は働き甲斐のある職場を目指す。
個人は自分の働き方を人任せにしない。
大切な事だと思います。
合言葉は



「すべては頑張っているスタッフが報われる組織を作るために・」
ではまた。
SEE YOU!!!
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