
最近、言われているSWOT分析って何?
難しくて分からない。
病院のラダーにも入ってきているよー。
SWOT分析って何ーーー!?



SWOT分析は聞きなれない言葉ですよね。
私も病院のキャリアラダーに入ってから知りました。
SWOT分析をすることで、自己分析や、自部署の強みや弱みを知ることができます。
ぜひ、これを機会に勉強しましょう。


病棟勤務7年後、救急・外来業務を経験・DMAT隊員
放送大学にて教養の学位を取得する。
院内のキャリアラダーでインストラクターを行っている。
看護師経験15年です。
得意分野:カテ看護・災害看護・マネジメント
放射線科看護・内視鏡看護
この記事を読むべき人
- 病院の経営に関わる人
- 転職などで自己アピールをしたい人
- 部署の業務改善がしたい人
- これからリーダー看護師として働く中堅看護師
- 自己分析をして己を知りたい人
SWOT分析とは!?


SWOT分析は、看護の世界だけのものではありません。
一般的なビジネスにおける経営戦略策定方法の一つである。
自社の内部環境の「強み」と「弱み」、外部環境からの「機会」と「脅威」を導き出す手法です。



これだけ聞くと、
ちょっと難しいですね。


ちなみに、SWOT分析は、「スウォット分析」と読みます。
分析方法について


この4つをかけ合わせながら分析を行います。
私の病院では下のような用紙を作成し分析を行っていきました。





それぞれ4つの項目に書き込んでいきます。
目的を決めよう
最初に行うのは、SWOT分析を行う、具体的で明確な目標を持つこと。
目的の設定によっては、分析内容が大きく変わってしまうこともあります。
何のために分析を行うのかを事前に考えましょう。
目的が明らかになったら、いよいよSWOT分析に入ります。
自己分析に使用する場合
自己分析を行うのであれば、自分の考える強みや弱み、機会や脅威を記入していきます。



記入例です。


内部環境は自分の長所と短所なので書きやすいと思います。
外部環境の機会と脅威については自分ではどうしようもないことになります。
外部環境の一例
- 政治動向
- 法律や規制
- 経済や景気状況
- 海外や国内の社会的動向
- 技術革新動向
- 市場や業界動向
- ユーザーのニーズ



外部環境は少し難しいですね。
まずは、箇条書きでドンドン書き出していきます!
部署の分析をする場合
経験年数の多い看護師は自己分析だけでなく、これを自部署に置き換えて分析してみましょう。



例えばこんな感じです。


広い視野で分析を行うために、グループ単位で行う事をお勧めします。
ワンポイントアドバイス
強みと弱みは病院や病棟、自分の内部に存在するものです。
機会と脅威は自分や病院を取り巻く外部環境から導き出します。
内部か外部かの判断基準としては、それがコントロール可能なものであるかどうかで考えると良いでしょう。
たとえば、「リーダーシップの不足」これは強み・弱み・機会・脅威のうち、どれに属するでしょうか?
看護師のリーダーシップスキルを向上させることは、病院内でコントロール可能です。
従って、弱みとなります。
では、「人口減少」。これは弱みでしょうか。脅威でしょうか。
これは、病院内でコントロールできるものではありません。そのため、脅威となります。
ただし、「患者数の減少」となれば、病院の努力でコントロールできます。そのため「弱み」になります。
クロス分析





SWOTの表は埋まりましたね。
しかし、まだSWOT分析は終わりではありません。
SWOTで挙げた項目は「状況」「現状」であり、戦略や戦術ではありません。
各項目の内容を基に現状を把握・分析をしましょう。
実際に行動計画に落とし込むために、4項目を掛け合わせて、分析していきます。
これをクロス分析といいます。


強み × 機会:強みを使って、機会を活かすためにどうするかを考えます。部署や自己の成長を目指す時などには、この分析を使うと良いでしょう。
強み × 脅威:強みを活かして、脅威による影響を避けたり、また場合によっては機会として活かすことを考えます。脅威も、場合によってはチャンスになり得ます。脅威を避けるだけではなく、可能であれば機会を探すところまで議論しましょう。
弱み × 機会:弱みを補強するなどして、機会を活かす方法を考えます。せっかくの機会を活かすためにどうすべきかを議論しましょう。
弱み × 脅威:弱みを理解し、脅威による影響を避ける、もしくは最小限にするためにどうすべきかを考えます。脅威のレベルによっては、大きな影響を受ける可能性もあります。
例えば、先ほどのSWOT分析表を参考にしてみると・・・





実際に考えてみましょう。
目的:救急センター看護の質の向上。誰もが同じ質で看護提供できる環境を作る。
救急センターに内視鏡や放射線などの検査部門が併設されていることを活かして緊急内視鏡や緊急カテなどのケアが継続的に提供できるという強みがあります。
災害拠点病院でありDMATを有しているため、災害時や、平時の災害対策などを行うことで多病院との差別化を図る。
コロナ患者の増加に伴い業務量が増加している→災害看護で学んだノウハウを生かして活動する。
などです。
これは一例ですが、もっと具体的に自己課題や部署の課題の分析を行ってみましょう。
まとめ


いかがでしたでしょうか。
SWOT分析について。
- まずは分析を行う目的を決めます。
- そして、分析用紙を作成し4つの項目を埋めていきます。
- そして、最後にクロス分析を行い行動計画に落とし込みます。
- さらには、数か月後に評価修正を行っていきます。
転職の際の自己アピールや、毎年の自分の目標管理用の自己分析にも使えますし、
部署の課題をクリアするためのツールとしても使えると思います。
看護師は経営などに疎い傾向があります。
これからは病院も差別化を図り、経営を意識した活動が必要となるでしょう。
このブログが、みなさまの看護の一助となることを祈ります。
ではまた。
SEE YOU!!!!!




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